

お屠蘇って何?そもそも読めないし
お屠蘇の読みは(おとそ)
お屠蘇とは、簡単にいうと、
いくつかの生薬をみりんやお酒に漬けていただく薬草酒のことです。
お正月にいただく縁起物として、その歴史は古く、
平安時代にまでさかのぼるともいわれています。
恥ずかしながら私は30代になってから知りました…(赤面)

地方ではお屠蘇をつくってお正月に飲む慣習が根づいているところもあるようですが、
実は(私のように)あまり知らない方もいるのではないでしょうか。
そんなお屠蘇にあまり馴染みのない方でも大丈夫。
実は超簡単につくれます。
日本ならではの、お正月の香りある縁起物として。
興味がある方はぜひ参考にしてみてくださいね。
この記事の信頼性
この記事を書いている私は、美容・アロマ業界10年以上の元美容部員。
AEAJ認定アロマテラピーアドバイザーの資格を持っています。
普段はアロマに関するPRの仕事をしています。
もくじ
お屠蘇の香り豊かな生薬たち

お屠蘇に使われている生薬はどれも香りが豊かなものばかり。
今回私が使用したのは、こちらの「高野山開運お屠蘇」の屠蘇散(とそさん)です。
ネットで気軽に購入できます。
屠蘇散(とそさん)とは…
屠蘇散(とそさん)とは、いくつかの薬草を調合したものをさします。
この屠蘇散をみりんやお酒に浸すことでお屠蘇(とそ)ができる、というわけですね。
調合された生薬は計5種。
防風(ぼうふう)・山椒(さんしょう)・桔梗(ききょう)・桂皮(けいひ)・白朮(びゃくじゅつ)
防風(ぼうふう)

セリ科の多年草の植物で、根や茎を乾燥させたもの。
発汗・解熱作用があり、関節炎、筋肉痛といった痛みを緩和する効能も。
あの有名な薬用養命酒にも配合されています。
山椒(さんしょう)

ミカン科の植物でサンショウの成熟した果皮や種子から採れます。
主には胃腸の機能向上や冷え性改善などに。
山椒に含まれる「サンショオール」という辛味成分が、
内臓器官の働きを活性化や、代謝アップにもつながります。
ピリリと辛みのある香りと味。
うなぎにかけたりと調味料としても有名ですね。
桔梗(ききょう)

キキョウ科植物で、根を乾燥させたもの。
咳や痰(たん)を抑制する効果や整腸作用があるといわれています。
青紫の美しい花を咲かせ、古くから日本で愛されている植物の一つですね。
桂皮(けいひ)

クスノキ科の植物で、皮を乾燥させたもの。
身体を内側から温めるとして、冷えからくる腹痛や関節痛、月経痛などの痛みを和らげたり、消化機能を高めてくれます。
“シナモン”といえば馴染みがありますね。
八つ橋やシナモンティーなどに使われている、あの香りと味です。
白朮(びゃくじゅつ)

キク科の植物で、根や茎を乾燥させたもの。オケラとも呼ばれます。
胃腸の働きをよくしたり、体の水分代謝を調える作用があるとされています。
その根っこを乾燥させたものを燃やすと強い香りを発することから邪気を祓うとされ、
京都にある八坂神社では、お正月には白朮が焚かれる「をけら詣り」が行われています。
古くから実は日本人に馴染みのある生薬が調合されていますね。
屠蘇散の種類によって配合されている生薬も異なるので、購入の際はチェックしてみてくださいね。

お屠蘇の作り方
それでは早速、お屠蘇をつくってみましょう。

材料
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屠蘇散
-
本みりん(または日本酒)約350ml
ポイント
甘めに作りたい人は本みりん
さっぱりと作りたい人は日本酒 がいいそうです。
私は甘めに作りたかったので、八海山の本みりん「三年熟成品 麹の蜜」を使用しました。
あのお酒で有名な八海山の本みりん。原料米は南魚沼産。
三年も熟成されたまろやかな風味と甘みある香りが特徴です。
酒造ならではのこだわりの逸品として、お正月にもぴったりですね。
注意!
みりん風調味料はみりんに似せて造られた甘味料なので要注意です。
本みりんを使用しましょう。
作り方はいたって簡単。
こちらの屠蘇散はすでに調合された生薬がティーパックに入っているのでとっても便利です。

ティーパックを容器にセットし、本みりんを入れて、終了です。
一晩(8時間程度)冷蔵庫に保管して浸します。

お屠蘇の飲み方
お作法を心得よ
お屠蘇の飲み方にはいくつかのお作法があります。
お屠蘇のお作法
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元旦から三が日までに飲む
-
飲む順番は年長者から年少者へ
-
お雑煮やおせち料理をいただく前に飲む
できれば元旦にいただくのがよいでしょう。
お屠蘇を飲む意味としては、
心身の中に溜まっている邪気を払い、清らかな心と身体で新年をお迎えする
ということです。
また、お屠蘇は
新年の縁起と長寿を祝う
ものでもあるため、年長者から順に年少者へ、というのが習わしとなっています。
飲み方については地域によっても異なるため、上記が必ずしも正しいというわけではありません。
それもふまえて参考にしてみてくださいね。

注意!
本みりん(またはお酒)でつくるので、アルコールになります。
子どもは飲まないようにしましょう。
子どもは飲むふりをして、一緒にお正月気分を楽しむのもよいですね。
おすすめの器
本来であれば「屠蘇器(とそき)」といって、このような漆器製のものを使うのが一般的ですが…

これだとあまり使う機会が少ないかなと思い、
普段使いもできるガラス製の酒器セット「津軽びいどろ 酒器 盃 ギフトセット」購入してみました。
青森県伝統工芸品指定のハンドメイドガラス。
電子レンジで熱燗も作れるというのも優れものです。
見た目もオシャレでコンパクト。
電子レンジで気軽に熱燗もつくれるなんて、呑み助にはうってつけのアイテムだわ♪

お屠蘇を飲んでみて(香りや味の感想)

八海山の本みりんを使ったら
上品でとっても甘いお酒になりました。
特にシナモンの香りが強く感じられ、
他の生薬のスパイシーな香りと本みりんの甘みと相まって
複雑な甘みのある香りと味でとっても美味しかったです。
注意!
調味酒としても使えるといっても侮るなかれ。
八海山・本みりんのアルコール度数はなんと14%!
日本酒や紹興酒に匹敵します。
甘いからスイスイ飲めるといって、調子にのって飲み過ぎは禁物です。
お猪口でちびちび味わうのもよいですね

お屠蘇が余ったら…
お屠蘇をつくったはいいとして、
お正月あるあるとして悩むのが「余りもの」。
このお屠蘇の余りを何とかできないものか…
と思い、余ったお屠蘇の活用法を考えました。
りんごを煮る

りんごをコンポート風に煮てみました。
作り方
りんご1個に対し、お屠蘇 約150ml。
15分ほど煮て、りんごが透明になれば完成。
なんということでしょう…!
リンゴの甘味が増し、とっても美味しいデザートになりました~。
シナモンの香りがあるので、まさにアップルパイのような香りと味わいに。
火を加えることでアルコールも飛んでいるため、これなら子どもでも食べられます。
バニラアイスやトーストに合わせても◎
とっても美味しいですよ♪

お白湯で割って飲む

お白湯に割って飲んでみました。
作り方
マグカップにお白湯 約150mlに対し、お屠蘇を約小さじ1杯。
お好みで調整してみてくださいね。
蒸気からお屠蘇の香りがふんわり感じられるのはもちろん、
お屠蘇のままよりもスイスイ飲めちゃいます。
お酒が弱い方でもお白湯割りなら飲みやすいですね

まとめ

お屠蘇の読み方は(おとそ)。
ティーパック入りの屠蘇散(とそさん)を使えば気軽にお屠蘇がつくれます。
甘く作りたいときは本みりん、さっぱり作りたいときは日本酒を。
お作法はいくつかありますが、開運を願って一気に飲み干せばOK。
(いや、テキトーすぎるだろ。)
余ったら旦那さんや親せきのおじさんに無理やり飲ませようとせず、
りんごを煮てデザートにしたりお白湯で割って飲んだりしてみましょう。
いかがでしたか?
今年の正月はぜひ香り豊かなお屠蘇をいただき、
最高に運気をアップさせちゃいましょう!
お屠蘇って漢字で書けたらさらに運気上昇だよ☆
